株式会社シビルソフト開発

建設CALSを見据えた下水道設計のあり方(月刊下水道 2003年9月号掲載)

はじめに

最近の土木設計を取り巻く環境は、大きな転換を余儀なくされつつあります。ひとつは、単年度として景気浮揚の為の補正執行がありますが、中長期的な見通しとしては予算縮減の方向にあること。もうひとつは電子データの共有化を計るべく進んでいる建設CALSの動向です。

下水道設計においてもこのような点を踏まえ、安価で良質なアプリケーションソフトウェアを利用して電子データの共有化をはかり短時間に設計成果をあげていく事が重要になってきます。

 

建設CALS

もともとCALSはアメリカの国防総省で肥大化する情報管理の問題から端を発し、米軍での電子化による後方支援[Computer Aided Logistic Support]からきたというのは良く知られています。略語のCALSを変えずに言葉をかえてきており現在では、Commerce At Light Speed[光速取引]となっています。

建設省が進める公共事業支援統合情報システムを公共事業版CALSいわゆる建設CALSと呼んでいます。建設CALSとは、建設に係る調査・設計・施工・管理・保守とライフサイクル全般に渡るデータの共有化にあります。

1996年4月に「建設CALS/EC整備基本構想」が策定され、さらに内容の一部前倒しを含めて昨年6月には「建設CALS/ECアクションプログラム」が発表され、2004年には建設省直轄事業の全工事について建設CALS/ECを実現させることになりました。

アクションプログラムは、3つのフェーズごとに整備目標が決められています。

今年は、フェーズ1の最終年で、実証実験や標準化の研究をまとめ、来年以降のフェーズ2における電子データの基準化、電子データによる成果納品の実施、とりわけ「電子データ成果の再利用・加工・統合によるデータの有効活用」に向けていくことになっています。

図面データにしても、実験段階としてDXF等によるやり取りですが、最終的にはISO/STEPに置き換わっていくことになります。

 

ネットワーク

このような現状を把握しながら、設計に利用するアプリケーションソフトウェアの連係、電子データの共有化を計っていく事になる訳です。

すでに設計の相当部分においてはパソコンの使用による設計を行っている事と思いますが、スタンドアロンの利用でありネットワーク化をされていないか、あるいはネットワーク化されているが、その価値を見出せずに運用しているところがまだ多く見受けられるようです。

インフラ整備としてのネットワークの構築は避けて通れません。データの共有化を意識したネットワーク上でのアプリケーション利用を行うと、こんなに便利なものだったのかと実感するはずです。

 

CALSへの取り組み

CALS的なと言った場合には、二つの側面が考えられます。一つ目は、設計成果としての電子データ化があげられます、まだ、データ化になじまないものがあるのも確かですが、これをクリアにしていかなければなりません。

もう一つは、設計ノウハウの共有化です。それぞれの設計事務所においては、いかに効率良く設計をあげるかという事で日々、努力されていますが、この設計手法がそのままCALSだと考えても差し支えないのではと思います。

CALSとは対外的には電子データが第一義ですが、対内的には、設計ノウハウの共有化も含まれると考えた方が、会社での取り組みとして、良いのではないでしょうか。

 

CALS的な設計手法

図面を考えた場合に、小規模な面整備というと70〜80%は縦平面図になるかと思いますので、この平面図・縦断図について、どのような方法で行うかと言いますと、当社の「Civil Plaza」というアプリケーション群を例にとってみると、

1. 平面計画・設計
縦断システム「Pipe Rapid」では、平面の取り込みとしてラスターデータの入力が行えますし、他からベクトルの平面図をもらい展開したければ、DXF挿入というコマンドも用意されていますから、作図中のどの段階においても平面データの展開は可能になります。着色による色分けを行いたければ、任意の形状に対して任意の色を選択可能で、しかもバックの現況を透過させる事も出来ます。
また、写真管理規定によるJPEGデータの貼付けも行えます。
2. 縦断計画・設計
「Pipe Rapid」では、流量計算から管底高計算、作図まで自動的に行う事が出来ます。
特に、縦断計画の最中に、構造計算の結果を反映させたい場合に、「推進工法」「管の構造計算」「仮設計算」等を連動させ、タイムリーに管底高計算に反映させる事が可能になります。
また、流量表は直接Excel97データとして出力出来ますので、CSV出力等、表の枠組みが無い為、データコンバートは出来るけど、流量表の完成までに時間が掛かってしまうという事もありません。
3. 縦平面の作図編集
「Pipe Rapid」には、汎用CAD機能の作図・編集コマンドが標準でついていますので編集あるいは追加の作図は別の汎用CADでという事は、一切ありません。
縦断作図に関しては一つのアプリケーションソフト「Pipe Rapid」の中ですべて完結してしまいます。
あとは、データ納品する際に、DXF等にファイル出力して成果物とするだけです。
この場合も、DXF出力テンプレートが用意されていますので、色彩・線種・フォント・レイヤ割付などの条件を設定することが出来ます。

むすび

建設CALSにおける電子データ交換は、あらゆる設計図書において行われるわけで、図面データの場合、当面DXF等での交換というのが現実的ですが、いろいろ互換性に問題点もあり、将来的にはISO/STEPに推移していくこと、また、すでにオープンCADフォーマット評議会などいくつかの団体において標準フォーマットの策定に入っている事を考え合わせると、安価で設計し易いもので設計して、建設CALSとして標準フォーマットへの交換を考えるのが最善の方法ではないでしょうか。

 

ISOに関するリンク集

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